あなたは「コミュニケーション」の意味を取り違えてはいませんか?携帯電話世代のあなたは、メールが当たり前ですよね。
届いたメールにすぐ返信をする。用件は必ずメールで伝える。
携帯電話が身近にあるあなたは「私はメールで相手に伝えているから、コミュニケーション能力があります」
そう思っているかもしれませんね。
しかし、あなたより上の世代の方々は携帯電話がない時代を生きてきた方々です。
用件がある人と電話で話すときには、相手の自宅の電話にかけなければなりませんでした。
そして、相手の家族と話す必要があったのです。
また、どんなときでも、対面で話をしなければいけませんでした。
仕事でミスをしたときも怒られるときも注意をされるときも、どんなときでも面と向かって話をしなければ意思疎通ができなかったのです。
そういう世代を生きてきた方々にとっては、今の若者がすべてのことをメールで済まそうとすることが「コミュニケーション能力がない」「コミュニケーションが図れない」ということになるのです。
確かに、メールは便利なツールです。
しかし、メールですべてを伝えているからと言って「私はコミュニケーション能力があるんです」と思ってはいけません。
アナウンサーは、取材相手の方と対面して伝えなくてはならないことがたくさんあるのです。
取材のお願いや出演依頼、感謝、時には謝罪・・・etc・・・
しっかりと相手に自分の想いを伝えることができなければ仕事はできません。
アナウンサーを目指すあなたは、もう一度、自分自身のコミュニケーションについて考えてみてください。
「相手に向き合って、直接話すこと」コミュニケーションの最大のツール
私は、高校生対象の「コミュニケーション力アップ講座」を行っています。
ただ聞いてるだけの講義ではつまらないので、限られた時間にできるだけゲームやワークを盛り込んでもらっています。
携帯電話やスマートフォンが当たり前の現代、若者のコミュニケーション能力の低下が指摘されています。
社会に出ると携帯電話世代ではない方々と接することが圧倒的に多く、携帯電話のメールで連絡を取り合うことが「コミュニケーション」と思っている若い世代との間に「コミュニケーションのギャップ」が生まれます。
若い世代の方々にコミュニケーションについてお伝えするときには、そういったギャップをなくすことを中心に話しています。
あなたは思い当たりませんか?
「メールで連絡したから、分かってもらえてると思う」「昨日、メールしたから、伝わってるよね」なんて思っていませんか?なんでもかんでもメールで済ませていませんか?
メールは便利なツールです。私も仕事で、プライベートで、たくさん利用しています。しかし、メールだけがコミュニケーションのツールだと思い込まないでくださいね。
「相手に向き合って、直接話すこと」コミュニケーションの最大のツールは、これです。
今、企業では、コミュニケーション能力の高い学生を求める傾向があります。
アナウンサーを目指しているあなたは、さらに高いコミュニケーションスキルが求められます。もう一度、自分自身を振り返ってみてください。
新入社員研修でも熱く指導をする「コミュニケーション」
新入社員研修では「マナーの重要性」についてお伝えしてます。そして、もうひとつ。
アナウンサーだからこそ気になる「コミュニケーション」についても熱く指導しています。
ここ数年、若者のコミュニケーション力の低下が叫ばれていますね。
今、このブログを読んでいるあなたは「私は、友達も多いしメールや電話もまめだし、コミュニケーション能力はある(と思う)」と思っていませんか?
「コミュニケーション能力がある」というのは、同年代の人たちと会話ができることではありません。「自分と違う世代の人たちと会話ができること」をいうのです。
あなたが同年代のクラスの友達や友人とメールや電話で会話ができていても、自分より上の世代の方々と会話ができなければコミュニケーション能力があるとはいえないのです。
- 正しい敬語、日本語を使って話ができますか?
- 幅広い年代の人たちと会話が続きますか?
- 自分の伝えたいことを理論的に話せていますか?
- 自分が一方的に話すだけではなくて、相手の話を聴いていますか?
アナウンサーを目指しているあなたは、他の方々以上にコミュニケーション能力がないといけません。
さあ、コミュニケーション力を磨きましょう!
放送の仕事に携わりコミュニケーション能力を身に付ける
「アナウンサーになる前に放送の仕事に携わりましょう」とお伝えしています。
アナウンサーになる前に放送の基礎を学んだり、放送の現場を見ておくことは、あなたがアナウンサーになってから様々な場面でプラスになるからです。
そして、経験を積むことで、色々な能力が身に付くからです。特に、コミュニケーション能力は磨かれます!
放送の仕事は、自分がテレビやラジオに出演して伝えるまでに、実に多くの人と関わります。
取材相手はもちろんですが、取材してきた内容を企画会議にかけるとき、上司や同僚に相談したり説明をしたりします。
- スタジオから放送を出すときにはディレクターや技術さんと相談し、番組をどう演出するか、スタジオの雰囲気はどうかなどを考えます
- 生中継を放送するときには、現場にいるカメラマンや音声さんと相談し、どういう風に演出すれば、一番効果的に伝わるのかを考えます
- 撮影してきたものをリポート(企画)にするときには、編集マンと相談して内容を組み立てます
- ニュースを読むときには、記者の人に漢字の読み方などの確認をして、自分のニュースを読む速さを伝えます
他にも、番組の話題や演出に悩んだら、周りの人たちに相談してヒントをもらうなど、たくさんの人と密にコミュニケーションを図ります。
局内の人間だけでも、かなりの人と接して会話をして仕事を進めていくのです。
当たり前ですが、アナウンサーは、コミュニケーション能力に長けていなくてはなりません。
アナウンサーになる前に放送の仕事に携わっておくことで、こういったコミュニケーション能力が自然と身に付いていくのです。
アナウンサーやキャスター・リポーターにコミュニケーション力が必要な理由
あなたはNHKキャスター・リポーターに合格し、無事に放送局で仕事ができるようになりました。
キャスター・リポーターであるあなたは自分が興味・関心がある話題について取材し、その取材結果を基に提案書を書きました。
そして、会議で、いかに自分が取材してきたものがおもしろいか、放送に出す価値があるかをプレゼンをします。
この会議で提案が通らないと、なかなか放送にはできません。
会議で提案が通ったら今度は構成を考えますが、その際に上司や同僚とコミュニケーションを図ってよりより放送にするためのアイディア出しをします。
そして、撮影日までに取材相手の方とコミュニケーションを図り、協力をしていただきます。
局内では、今度は撮影に行くスタッフを集めての打ち合わせを行います。
このときに主体的に動くのはアナウンサーやキャスター・リポーターであるあなたです。
カメラマン、音声スタッフと撮影当日の流れや自分が撮影したい映像の話などをし、そして現地まで連れて行ってくれるドライバーさんとも打ち合わせを行います。
撮影日、当日。
- 現地に来ていただいた出演者の方々に当日の動きや流れなどをあなたがディレクターとして伝えます
- カメラマンや音声スタッフに現地で流れを説明し、リハーサルを行います
- リハーサル終了後は、局でリハーサルを見ていた上司から携帯に連絡がきます
- そこで上司にアドバイスされたものを加えたり、修正したりします
- そのときにまた出演者の方に状況を説明し修正してもらい、カメラマンと音声スタッフにも修正点を伝えます
こうした下準備を行った上で、撮影・放送が始まるのです。
他にも、局を出発する前には局内にいるスタッフに声を掛けて、何時に現地入りして何時にリハーサルができるかを伝えたり。
当日、スタジオにいるアナウンサーに自分の出番のときに「こんなコメントを言ってほしい」「スタジオからこんな質問を投げ掛けてほしい」などを伝えたり。
とにかく、局内の様々な部署の人とコミュニケーションを図らないと放送を出すことができないのです。
だから「アナウンサーやキャスター・リポーターはコミュニケーション力が大事」なのです。
取材相手に快く取材を受けていただくためではなく、自分自身が効率よく仕事を進めていくために必要な力なのです。
以前、スクールの卒業生が受験生に伝えていた言葉で印象的だったことがあります。
「面接で一番大事なのはコミュニケーション力。なぜなら、局に入ってから、とにかく社内の人とコミュニケーションをたくさん取って仕事をしていかないといけないから。だから、面接ではコミュニケーション力を見られているのだと思う」
私も同じ意見です。
アナウンサーになると、コミュニケーションのテクニックのすべてが身に付きます。
元々、アナウンサー志望の方はコミュニケーション能力が高いですが、プロとして仕事をしてくうちにそのコミュニケーション能力は益々磨かれていきます。
コミュニケーションについて、様々な問題を抱えている現代。あなたがアナウンサーとして身に付けたコミュニケーション能力はいたるところで発揮できます。
アナウンサー・キャスター・リポーター合格には面接官と会話をする
「アナウンサーやキャスター・リポーターはコミュニケーション力が必要だから、面接では面接官と会話ができなくては合格できない」
何度もこのブログでお伝えしていますし、実際のレッスンでも生徒さんにお伝えしています。
それはなぜか?
それは、実際の現場の仕事で高いコミュニケーション力が必要になるからです。
あなたが想像できるアナウンサーやキャスター・リポーターですと、取材相手がいるからコミュニケーション力が大事と思うでしょう。
しかし、取材相手以上にコミュニケーション力を発揮する場面があるのです。