今回は多くの人が勘違いしている「面接」についてお伝えします。
あなたは「面接」という場をどんな場だと理解していますか?
- 自分を売り込む場?
- 自己アピールをする場?
- 放送局を知る場?
色々と出てくるかと思います。
私が声を大にして伝えたいのは・・・・「面接」は「面接官と会話する場」ということです。
面接官は様々な角度からあなたを見ています。本当にその局に必要な人材なのかを判断しています。
そして、アナウンサーとして仕事をする上で一番重要になる「コミュニケーション力」を見ています。
面接では会話を通してコミュニケーション力を見られている
「コミュニケーション=会話力」ですから、あなたは面接で面接官と「会話」をしなくてはいけません。
それなのにも関わらず「面接は自分を売り込む場だ」と思って臨むと、面接官の質問に対して延々と演説をしてしまったり、的外れな答え方をしてしまったり、どんな質問に対しても自己アピールをしてしまって面接官から「コミュニケーション力が乏しい」という判断をされてしまうのです。
「面接」は「コミュニケーションの場」です。
もちろん、そこで自己PRをするということも必要ですが、あまり「自分を売り込むんだ」と思わないようにしましょう。
あくまでも「面接官と会話をして自分を分かってもらうんだ」という気持ちで臨みましょう。
ちなみに、私がNHKキャスターに合格した後、面接官だった方に「なぜ、私を選んでいただいたのですか?」と訊いてみました。
すると、答えはこうでした。
「多くの受験生の中で面接官4人と15分間、会話が続いたのは相澤さんだけでした。だから選びました」
「会話が続く」=「コミュニケーション能力がある」 そういう判断なのです。
会話は言葉のキャッチボール
「面接官と会話ができていますか?」とお伝えしましたが、あなたは「会話」の意味を間違えてはいませんか?
「会話」とは「相手の質問にすぐに答えること」ではありません。
当スクールの生徒さんはじめ、体験説明会などでお会いする方々と出会って、皆さん「面接官と会話する」という意味を間違えているというのに気が付きました。
多くの方が「“面接官と会話する”というのは、面接官の質問に対してすぐに答えることですよね。間があるのはダメですよね」と思い込んでいるのです。
ちょっと考えてみてください。
あなたが誰かと話すとき、もし相手からの質問がちょっと難しかったり、少し考えなくては答えられない質問だった場合、あなたは考えますよね?
そのため、少し間ができますよね?考える時間が長くなる場合は「少し考える時間をもらえる?」と言いますよね?
相手からの質問に対して、考えがまとまっていないのにすぐに、間髪入れずに答えたりしていますか?
していないはずです。
あなたは、相手の質問に対して考えて、考えがまとまったら話しているはずです。
面接もこれと同じです。
面接官の質問に対して、考える時間が必要であれば「少し考える時間をください」と伝えて考える。
そして、考えがまとまったら話し始める。時と場合によっては、面接官の質問に逆質問をする。
これが「会話のキャッチボール」です。
もし、これまでの面接で「手応えがあったのに合格できなかった」という方は「面接官と会話する」という意味を間違えている可能性が大きいです。
面接ノートのリンク
・
面接官の質問に正解を答えなくても良い
これまで多くのアナウンサー希望の方にお会いしてきましたが、多くの方が面接官の質問に正解を求めます。
そもそも、それが間違っています。
あなたは、普段、同僚や家族と会話をする際「この質問にはこう答える」という正解を求めていますか?
していませんよね?
普段の会話でしていないのに、なぜ面接でしようとするのですか?普段の会話に正解がないように、面接での面接官との会話にも正解はないのです。
もちろん「この答えは絶対的にNGだよね」というのはあります。でも、それも普通に考えたらなぜNGか、自分で気が付きます。
面接に備え考えた内容を自然に話す練習
これまでの面接で「手応えがあったのに合格できなかった」という方は「面接官と会話する」という意味を間違えている可能性が大きいです。
面接で話す話題をノートにまとめる作業はしていると思いますが、考えた話題を自然に話す練習はしていますか?
日本語は「書き言葉」と「話し言葉」が違います。
いくら書き言葉で素晴らしい文章を考えても、普段、自分が使っていない言葉は出てきません。
また、面接官を前に「自然に話す」ということは難しく、日頃から自然に話す練習をしていないと面接でできません。
考えをノートなどにまとめて書いたら、次にあなたがすることは「自然に話す練習をすること」です。
鏡の前で、作った自己紹介や志望動機を話してみましょう。鏡の前で話してみると自分の話し方の癖や表情などが分かるので、改善することができます。
私は、自己紹介や志望動機だけでなく、鏡の前で模擬面接もしていました(笑)。
面接官役と応募者役の一人二役をして、面接の練習をしました。
自然に話す練習は一日にしてならず。日々、時間を見つけてやりましょう。
自分を出して魅力をアピールを
以前、体験説明会を受けてくださった方から「書類や面接であまり自分を出さないほうがいいですよね?」と質問されました。
詳しく話を聞いてみると、学生時代に起業していて企業と様々なイベントを企画したり社会的な賞を受賞していたりと、そんな経験をしていました。
私は話を聞いていて、とても楽しく、彼女のことをもっと知りたいと思いました。
「たくさん話題があるからいいね」と言うと、彼女は「こういう経験をしていることを書類に書いたり面接で話したりすると、面接官に良い印象を与えないと思うから書かないようにしているし、面接でも言わないようにしています」と言っていました。
実にもったいない!!
私が接してきたアナウンサー希望者は、どちらかというと「書類に書いたり面接で話したりする話題がないです」という方のほうが多かったので、彼女のように話題がたくさんある方があえて自分の話題を話さないのは実にもったいないと思いました。
アピールの仕方や伝え方が良くないと面接官の印象が良くないですが、エントリーシートに書いたり面接で話す話題がある人は、ぜひそれを伝えましょう。
常に「私ってすごいでしょう?」というアピールの仕方をする人や「私は、こんなすごい経験をしてきているんです!」とドヤ顔する人。
こういう人は、面接官の印象が良くないです。
しかし、謙虚に「私はこういう経験をしています」というような伝え方であれば、面接官の印象は悪くならないはずです。
せっかく話題がたくさんあるのであれば、それを隠すことなく、履歴書に書きましょう。面接で話しましょう。