民放のアナウンサー採用試験のES(エントリーシート)やNHKキャスター・リポーターオーディションの履歴書についてポイントをお伝えします。
応募書類は読み手の手間を省く
まず、今回はESにも履歴書にも共通することです。
応募書類は、読み手が読み返す手間を省きましょう!
つまり「一回読んだだけで分かるような文章を書きましょう」ということです。
これまで様々な方のエントリーシートや履歴書を拝見してきましたが、皆さんの文章の書き方が簡潔ではなく、毎回、読み直しをします。
- 「主語はなに?」
- 「述語はこれ?」
- 「結局、なにを言いたいの?」
そのような書き方をしている人が多いです。
時々、回りくどい言い方をする人もいます。
「書き言葉」は「話し言葉」と違って、文字が「記録」として残るので分からなければ読み返すことは可能です。
しかし、面接官の立場になってみてください。忙しい業務の合間に書類審査をするのです。
そんなときに一回読んで良く分からなければ、読み返すことをせず「この子は不合格」と判断すると思いませんか?
応募書類は、とにかく読み返す手間を省く!これに尽きます。
応募書類は見た目が大切 目立つ書き方・工夫のある書類にする
多くのアナウンサー希望者はエントリーシートや履歴書などの書類に書かれてある内容を重要視します。
もちろん、志望動機などは内容がしっかりしているものでないと、アナウンサーに合格はできません。
しかし、最初に考えるべきことは「内容」ではなくて「見た目」です。
局アナ採用試験の倍率は、キー局で何万倍とも言われます。
地方局でも何百倍・何十倍です。
何万枚、何百枚、何十枚の応募書類の中で「これは読んでみたい!」と思わせる工夫がないと、せっかく書いた書類も読んではもらえません。
実際、私は出版社の総務人事部で採用の仕事をしていましたが、届いた大量の書類の中から合否を決めるときには、この「パッと見」で「読みたい」と思うものはよく読んでいましたが、そうでないものはサラッと目を通して不合格の箱に入れていました。
大量の書類の中でも目立つ書き方・工夫をしましょう。
NHKキャスター・リポーターは履歴書選びも重要
NHKキャスター・リポーターオーディションは、民放のアナウンサー採用試験のように局ごとに決まっているエントリーシートを提出するのではなく、市販の履歴書を使って応募します。
この市販の履歴書の選び方が間違っている方が非常に多いです!!
「市販の履歴書ならなんでもいい」というわけではありません。
あなたはちゃんと考えて履歴書を選んでいますか?
よく見るのは、右側の部分の上のほうに「学歴・職歴」の欄の続き、その下に「免許・資格」の欄、そして、その下のほうに少し「志望動機・特技・好きな学科など」という欄があるもの。
この形式の履歴書を使っている方が多いです。
しかし、ちょっと考えてみてください。あなたのことをアピールする項目って、わずか一か所ですよね?
そこに、例えば、志望動機を書いたら他のことについては書く欄がありませんよね?
それで他のライバルたちに勝てると思いますか?履歴書はアピール項目が多いものを選びましょう。
私がお勧めしているものは、志望動機の欄を含めると全部で5つのアピール項目がある形式の履歴書です。
多くのキャスター志望者は、そもそも、この履歴書の形式を選ぶところから間違っています。
履歴書の「職歴の欄」の書き方
一般的な就職活動や転職活動であれば「職歴」の欄は、一般的な書き方をするでしょう。
しかし、局アナ採用試験では、その一般的な書き方ですと合格が難しい場合もあります。
特に、ここ数年はコロナの影響があったりNHKキャスターの契約形態が変わったことにより「未経験者」よりも「経験者」が有利になってきました。
放送業界の経験がない方は、書類審査突破さえも難しい時代です。
そんな厳しい戦いの中で書類審査を通過するには、ひと工夫もふた工夫も必要です。
例えば。
- 文章で書く
- アピールできる活動やアナウンススクール歴なども書く
私は、大学を卒業した後にケーブルテレビ局で番組制作のアルバイトをしていたのとコミュニティFMでボランティアで中継リポーターをしていた経験があったので、そのことを文章で書いていました。
当アナウンススクールの生徒さんたちも様々な工夫をしています。あなたの職歴の欄も、一般的な書き方ではなく工夫をしてみてください。
自己PR書を添付するかどうか
よく聞かれるのが「自己PR書のようなものを1枚付けたほうがいいでしょうか?」ということです。
結論から言うと・・・
付けても付けなくても合否には関係ないので、付けたかったら付けてください。
私は出版社で採用の仕事をしていて、書類審査を自分自身でしていた経験から「募集要項に書かれていないものを送ってきた人は不合格にする」と思っていました。
そのため、その実体験をもとに「余計なものは付けないほうがいいよ。募集要項に書かれていないものを提出してきたら、私なら“募集要項に書いていないものを送ってくるなんて、この子、ちゃんと募集要項見ていないのかな”と思うから」と伝えていました。
しかし、あるとき、自己PR書を付けてNHKキャスター試験を受けていた子が合格したのです。
書類もどちらかというと民放寄りでした。それでも、合格する子は合格するのです。
このことがあってから「自己PR書は付けたかったら付けてもいいけど、付けたからといって合格するわけでもないし、付けなかったから不合格というわけでもないよ」とアドバイスするようになりました。
自己PR書は、あなたが「付けたほうがいい」と思うのであれば付ければいいし「ただでさえ、応募書類を作成するのにいっぱいいっぱいだから自己PR書まで手が回らない」というのであれば付けなくても構いません。
ちなみに参考までに。
当アナウンススクールの生徒さんに限って言うと、自己PR書を付けずに合格した方のほうが多いです。