最近、民放に増えてきたネットエントリー(webエントリー)についてお伝えします。
まず、紙のエントリーシートと違って、webの場合、文字だけで判断されます。
そのため、紙のエントリーシートで出来ていたパッと見で目立つような工夫ができません。
そして、webは「知性」が顕著に現れます。つまり、文章で論理的に説明する力がないとwebエントリーは通過しにくいのです。
アナウンサーのWebエントリーは「結論から先に話す」
最近「男女平等」「ジェンダーレス」「多様性」が叫ばれているので「“男性““女性”と分けることはいかがなものか?」という声も多いです。
しかし、あえて、ここでは「男性」と「女性」を分けて説明します。
このブログを読んでいる方は、圧倒的に女性が多いかと思います。
我々、女性の脳は「共感脳」と言われています。
長い歴史の中で、男性が狩りで外に出ている間、女性は周りの人たちとうまく人間関係を築いていき、家族を守るために「共感する」ということが必要不可欠でした。
そのため、女性は「共感」を求めて話をしますし、共感をしてもらえれば落ち着くし、共感をしてもらえないと「私の気持ちを分かってくれない」という風に思うのです。
だから、出来事を話す際にどうしても「経緯」から話してしまいがちなのです。
一方の男性は、命がけで狩りをしていました。食うか食われるかの瀬戸際にいて、家族のためにもなんとか狩りを成功させないといけない。
そのため、効率化を重視し「経緯よりも結論が先!」という風になっていったのです。
経緯などを気にしていたら、獣に命を狙われてしまいますからね(笑)。
そんな人類の歴史があり、男性は結論から先に話し、女性は経緯から先に話すようになりました。(専門家ではないので、簡潔に言うとこんな感じです)
話をwebエントリーに戻しましょう。ビジネスの場は「男性脳」の世界です。
我々がいつも使っている「女性脳」の感覚で文章を書くと、どうしても「経緯」が先になってしまうのです。
「経緯」が先になり「結論」が後になると「この子は、何を伝えたいのか分からない」という風に判断されます。
webエントリーで意識するポイントは、とにかく「結論は先」ということ。これを忘れないようにしてください。
アナウンサーのWebエントリーは「一文は短く、簡潔に」
結論を先に述べた後に気を付けることとしては・・・「一文は短く、簡潔に」ということです。
文章は短ければ短いほど、簡潔であれば簡潔であるほど、伝わりやすくなります。小学生に分かるような言葉を使い、簡潔に伝えましょう。
局アナ採用試験は、応募書類やwebの審査の段階で、既に「アナウンサー」や「キャスター」として適性があるかどうかを見られています。
私も学生の頃は、小説に出てくるような、修飾語をたくさん付けた文章を書いていました。
小説に出てくるような文章は「なんか、かっこいい!」とか「この言い回し素敵!」と思うものが多かったので、エントリーシートや作文などの文章を書く際に参考にしていました。
しかし、なかなか書類審査が通過しませんでした。
今思えば、いくら小説家の真似をしたところで、局アナ採用試験で求められている「相手に簡潔に伝える力」ではないので、私が書いた書類を読んでも「結局、なにが言いたいの?」と思われていたんだなと思います。
一文は長くせず、短くする。
そして「。」をたくさん付けて、小学生に理解できるような言葉選びをして文章を書く。
これが、理論的に文章を書くためのコツの2つ目です。webエントリーだと、紙のエントリーシートと違って目立たせる工夫が限られています。
しかし、だからと言って、ただ文章を羅列するだけでは、面接官に読んでもらえないでしょう。
webエントリーでも読みやすさは追及してください。
紙のエントリーシートで出来ていたことで、webでも出来ることってあると思いますよ。
例えば。
- タイトルを付ける
- < >や「 」、『 』などを使う
- 箇条書きにする
などなど。
このような「読み手のことを考えた書き方ができる」ということは、相手のことを思いやる心にも繋がります。
ただ、あなたが伝えたいことだけを文章にするのではなく「この書き方だと読み手はどう思うかな?」「読みにくいかな?」「読みやすいかな?」と客観的に考えてみる。
その姿勢もwebエントリーを通過するためのポイントです。
エントリーには論理的に使えるPREP法を使う
今日は、より具体的に相手に論理的に伝えるためのテクニックをお伝えします。
相手に伝わりやすい文章構成でメジャーなものが「PREP(プレップ)法」と呼ばれるものです。
これは
- Point(意見・ポイント)→一番伝えたいこと
- Reason(理由)→その理由は・なぜなら
- Example(例)→例えば・具体的には
- Point(意見・ポイント)→もう一度、一番伝えたいこと
この流れで文章を組み立てるのですが、英語の頭文字をとって「PREP(プレップ)法」と呼ばれています。
このPREP法で文章を構成していくと、非常に相手に伝わりやすいと言われています。
具体例でお伝えします。
普段、私は企業の社員研修でコミュニケーションやプレゼンテーションなどの指導をしていて、そのときに使用した例なのでビジネス寄りなのですが。
今日は、この電動歯ブラシ「デンタルペッティ」があなたにとって非常に有益なものであることを説明します。
なぜなら、この「デンタルペッティ」は、歯周病予防を考えているあなたにピッタリの商品だからです。
例えば、ブラシの先端がキツツキが木を突いているように縦に動いて1分間に8,000往復します。歯ブラシだけでは落とせない歯と歯の間に挟まった食べ物や汚れを綺麗にします。
そして、モニターの女性100人が歯周病の予防に最適だという回答をしています。
大事なことなのでもう一回だけお伝えします。
この電動歯ブラシ「デンタルペッティ」はあなたにとって非常に使いやすく、あなたのお悩みを解決するものだと思います。
研修の具体例で出しているので、多少、固い言い回しになってはいるのですが、このようにPREP法を使って述べると非常に分かりやすく、相手に伝わる文章になります。
ぜひ、このPREP法を使用してwebエントリーの項目に対しての答えを書いてみてください。
エントリーには論理的に使えるSDS法を使う
「SDS法」これは「サンドイッチ法」とも呼ばれます。
- 結論(Summary)
- 説明(Details)
- 結論(Summary)
この流れで文章を組み立てていきます。
最初と最後に「結論=一番伝えたいこと」を持ってくるので、伝わりやすいと言われています。
このSDS法は、前回お伝えしたPREP法と比べても比較的簡単にできる上、聞き手の立場になると非常に理解しやすいのでお勧めです。
前回お伝えした電動歯ブラシの話題を、このSDS法を使って書いてみます。
今日は、この電動歯ブラシ「デンタルペッティ」があなたにとって非常に有益なものであることを説明します。
この電動歯ブラシ「デンタルペッティ」は、ブラシの先端がキツツキが木を突いているように縦に動いて1分間に8,000往復します。歯ブラシだけでは落とせない歯と歯の間に挟まった食べ物や汚れを綺麗にします。
そして、モニターの女性100人が歯周病の予防に最適だという回答をしています。
この電動歯ブラシ「デンタルペッティ」はあなたにとって非常に使いやすく、あなたのお悩みを解決するものだと思います。
どうでしょうか?分かりやすいと思いませんか?
以前、このSDS法を経営者の方に教えたことがあります。
その方は、いつも定期的に参加している経営者の会で、急遽スピーチを依頼されたそうです。
そのときに、私が伝えたこのSDS法でスピーチをしたところ、他の経営者仲間から「とても分かりやすいスピーチだった」と褒められたと言っていました。
このSDS法は、前回お伝えしたPREP法よりも簡単にできるので、気軽に使ってみてください。
エントリーには論理的に使えるホール・パート法を使う
次は「ホール・パート法」をご紹介します。
- 全体像(Whole)
- 部分(Part)
- 場合によっては要約を伝える (Whole)
この流れで文章を組み立てる文章構成法です。
最初に全体像を伝え、その後、細かい部分について伝えていきます。
複数の事例を整理して説明するのに効果的だと言われています。
具体例を見ていきましょう。
今日は、人前で話す際のコツやポイントを3つお伝えします。
まず、1つ目のポイントは下準備を120%することです。
準備なくして人前でうまく話すことはできません。どこまで下準備をしっかりするかどうかで成功するかどうかが決まります。
2つ目のポイントは何度も声に出して話す練習をすることです。
多くの人は「声に出して話す」という練習をしません。書いた文章をブツブツ言いながら頭にインプットしてシミュレーションをして終わります。
本番さながらに、書いた文章を声に出して練習することが成功するかどうかに関わってきます。
最後に3つ目のポイントです。
本番は堂々と振舞うことです。多少、突っかかっても言葉を忘れても、とにかく堂々と話して堂々と振舞う。これが最大のポイントです。
「下準備を120%すること」「何度も声に出して話す練習をすること」「本番は堂々と振舞うこと」
この3つが人前で話すときのポイントです。
いつも企業の社員研修でお伝えしている内容をそのままご紹介しました(笑)。
もし、いくつか複数のことを説明する機会があれば、このホール・パート法を使ってみてください。
エントリーシートは指示語を上手に使うこと
局アナ採用試験のwebエントリーで通過しやすい文章の書き方、最後のポイントです。
最近のアナウンサー希望者の履歴書や作文、エントリーシートを見ていて感じているのが「指示語の使い方が下手だなぁ」ということです。
「指示語」とは・・・
辞書で調べると「人・物・場所・方角などを表現するのに、具体的な言葉の代わりに、話し手と聞き手との位置関係によって示すもの」と記載があります。
もっと分かりやすくお伝えすると「あれ・これ・それ・どれ・あそこ・ここ・その・どの」のことです。
この「指示語」の使い方が下手な人が多いです。
「指示語」はとても便利な言葉です。
「指示語」を使うと、文字数が省けるだけでなく文章としてもとてもまとまりがあるものになります。
例えば。
NHKキャスター・リポーターオーディションに提出する作文のお題が「最近、感動したこと」だった場合、感動したことをエピソードで書いた後に「今後は、このような感動を多くの人に届けられる仕事がしたいです」などと書く。
アルバイトや仕事で培ったスキルについて書くときに「~な仕事(アルバイト)をしてきました。そこで、〇〇なスキルを身につけました。このスキルを活かして・・・」などと書く。
部活動やボランティア活動などで人前で話すことを経験しているのであれば「このような経験を活かして、今後はアナウンサーとして〇〇したい」などと書く。
年間、何十枚、何百枚の書類を添削していますが、皆さん、この「指示語」を使うという発想がないようで、とても残念に思います。
「日本語のプロ」であるアナウンサーやキャスターを目指すのあれば「指示語」を効果的に使って文章を書きましょう!